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小野寺 唯
岩手県生まれ。作曲家/サウンドアーティストとして、フィールドレコーディングを用いたデジタルテクノロジーと器楽音による実験的なアンビエント/エレクトロニックミュージック、サウンドアートの分野で独自の立場を築く。これまでに、ドイツの名門KOMPAKTやROOM40、坂本龍一によるcommmonsなど、世界各国よりアルバムをリリース。海外のオーディオ/ヴィジュアル・フェスティヴァルでのコンサートなど国際的に活躍している。主な国際展/フェスティヴァルに、"Störung Festival (バルセロナ)"、"res·o·nant (ベルリン・ユダヤ博物館)"、"Audiosphere (マドリード・ソフィア王妃芸術センター)"、"Tribute to RYUICHI SAKAMOTO Micro Ambient Music Festival" (NTTインターコミュニケーション・センター[ICC])など。
彼の作品は、実験的なアンビエント、電子音響、現代音楽の境界を横断しながら、繊細なテクスチャーやフィールドレコーディング、音の断片が幾重にも重なり合う没入的なサウンドスケープを紡ぎ出します。反復と変容、そして翻訳と喪失という二つの重要な概念に導かれ、ミニマリズムや自然のプロセスから着想を得て、静かで緊張感のある音色やテクスチャーの微細な変化を浮かび上がらせます。音から物語性をそぎ落とし文脈を再構築することで、音の本質を露わにし、構造と偶然性、制御と減衰の微妙な均衡を描き出します。主な受賞に,"Sound of the Year Awards 2021 (イギリス)","German Record Critics’ Award 2023 (ドイツ)"など。
スタジオワークに加え、彼の活動は、世界各地の美術館やギャラリー、公共空間でのサウンドインスタレーションやサイトスペシフィックなパフォーマンスにも広がります。プロジェクトを通じて、アート、デザイン、科学の領域を横断し、聴くことを通して場所や歴史を再構想する手段としての可能性を探求します。Field Records《Waterworks》シリーズの最新作にして三部作の最終作『Kiso Three Rivers』では、日本の河川工学とオランダの水利設計との歴史を反映し、音、景観、インフラの相互関係を探ります。この作品は、2025年大阪万博のオランダ館にて初めて公開されました。
ソロワークのほか、ヴァージニア・コモンウェルス大学教授Stephen Vitiello、サウンドアーティストFrancisco Lopez、音楽家Robert LippokやScanner、小久保 隆など、様々な分野のアーティストとのコラボレーション作品も発表。これまでに武蔵野美術大学、立教大学でサウンドアートの教鞭を執り、慶應義塾大学(SFC)や早稲田大学でのレクチャー、音環境デザイン関連の技術会議などにも招かれている。国内外の映画/舞台音楽、CM、プロダクト、空間など、サウンドに関わる幅広いプロジェクトを手掛けるほか、都市/建築空間における環境デザインとしてのサウンドUXのプロデュースやクリエイティブディレクションなど、従来の音楽家の枠を超えたプロジェクトを展開している。主な受賞に、Spikes Asia、AD STARS、ADFEST、日本空間デザイン賞2025など。
さらに多面的な作品制作を目指し、建築、デザイン、サウンド、サイエンス、エンジニアリングなど、多様な専門分野を持つメンバーで構成されたアートコレクティブ、一般社団法人norを設立。空間、映像、音などの表現領域における手法と技術を融合させたハイブリッド/メディアインスタレーション作品を制作している。これまでに、"MUTEK.JP"、"NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]"、"光点国際新媒体芸術祭FLARE (上海)"、"Media Ambition Tokyo "など、多くのフェスティヴァルや展覧会で作品を発表。主な受賞に、第22回文化庁メディア芸術祭アート部門、"PRESENT FUTURE Art & Technology Star Award 2019"などがある。
●主な受賞
日本空間デザイン賞 2025 | Entertainment space:Silver
The 29th ifva Awards | Media Art Category Special Mention
農林水産省 EAT! MEET! JAPAN prize 2023
German Record Critics’ Award 2023 | Electronic and Experimental
Sound of the Year Awards 2021 | BEST SOUND INNOVATION IN EVERYDAY LIFE
ADFEST 2019 | MEDIA LOTUS: BEST USE OF AUDIO_SILVER
ADFEST 2019 | AUDIO LOTUS:USE OF AUDIO SUB-CATEGORY_BRONZE
New York Festivals 2019 | AUDIO/RADIO:Best Use of Medium_Finalist Certificate
PRESENT FUTURE Art & Technology Star Award 2019 : Installation Star Award
第22回文化庁メディア芸術祭 | アート部門 : Jury Selections prize
Spikes Asia 2018 | Radio & Audio : Silver Spike
AD STARS 2018 | Data Insights : Crystal
ALIFE 2018 | ALife Art Award : Honorable Mention prize
●主なメディア (TV/雑誌)
『The Wire』(イギリス)2020年4月
『NHK world DESIGN TALKS plus』(日本) 2019年1月
『AXIS Magazine』(日本) 2018年10月
『サウンド&レコーディング・マガジン』(日本) 2018年2月
『The Quietus』(イギリス)2017年1月
『テレビ朝日 お願いランキング』(日本) 2016年12月
『The Wire』(イギリス)2016年8月
『BLOW UP』(イタリア) 2015年11月
『RECORD COLLECTOR』(イギリス)2012年2月
『DE:BUG』(ドイツ)2011年1月
『裏アンビエント・ミュージック 1960-2010』(日本) 2010年7月